旧中山宿駅

2013/06/23 訪問


磐越西線の秘境駅である中山宿駅は、始めから今の場所、形で建設されたわけではない。
元は、今の駅から少し東側に位置する勾配型スイッチバックの駅だった。
中山宿駅を離れ、徒歩で旧中山宿駅へと向かう。
途中、真昼間の道の真ん中で酒盛りをしているおじいちゃんたちに旧中山宿駅の場所を確認する。
なかなかの方言っぷりで全ては理解できなかったが、進んでいる方向でとりあえず間違いはなさそうだった。



closed_nakayama01


ここ?かな?
ここっぽいな。なんとなく駅の臭い、いわゆる駅臭がする。


closed_nakayama02


夕暮れに草蒸した駅ホームとロータリー。
やはりここで間違いはなさそうだ。
文字ではサラッと書いているが、実際にこの場所に辿り着いたときは、脳内分泌物MAX状態だった。


closed_nakayama03


見上げた現磐越西線の上を列車が走る。
列車の窓からこちらを凝視する人々の顔が想像できる。
あんなとこであの半そで短パンのおっさんは何やってんだ。
駅に興味の無い人からすれば、さしずめそんなところだろう。


closed_nakayama04


気を取り直して、駅のホームに上がってみる。
想像以上に藪っぷりが酷いことになっている。
歩こうと思えば行けそうだが、半そで短パンのおじさんには、この状況は地面から刃がニョキニョキと生えているに等しい。


closed_nakayama05


かつてはここに「中山宿」と駅名標があった場所。
触れてみたいという衝動に駆られはするが、周りの激藪ガーディアンたちが許してくれそうにない。
触れるものは皆傷つける。まさに切れたナイフ。


closed_nakayama05-1


廃線上から郡山方面を望む。
この右側に先ほどの駅名標枠がある。
真っすぐと伸びる轍は、やはりレールが通っていたころのものだろうか。


closed_nakayama05-2


↑磐越西線乗車中に旧中山宿駅を見降ろしたもの。
ちょうど磐越西線で郡山から会津若松に向かっていた際に撮影したポイントはこの辺りだな。
ホーム跡がハッキリと見えている。


closed_nakayama06


廃線上を更に進んだ地点。
途中左手に車両の格納庫のようなものがあり、その先にはレールが残っている。
ちなみに格納庫のドアは開かなかった。


closed_nakayama07


いたる所に現役当時の面影が残っている。
列車がまだこの駅に停車していたころのことを思い浮かべながら、廃駅の雰囲気を楽しむ。


closed_nakayama08


所々崩れはしているが、除草して軽く手入れさえすれば、まだ現役の駅の一部として活躍できそうなホーム。
自分の背丈の3倍くらいはある松の木が、ここは自分の縄張りと言わんばかりに茂っていた。
もともとホーム上に植えられていたものが生長したのか。


closed_nakayama09


雑草の少ない箇所のホーム上に立つ。
結構高いな。
こう見ると、ホーム上がいかに雑草の天下になっているかがわかる。
左奥に立っている架線柱は、現役の磐越西線のもの。


closed_nakayama10


廃駅の郡山方面の先端部分までやってきた。
クロッシングポイントから会津若松方面を望む。
なかなかの山間部にある駅だ。
個人的には、この風景は土合駅の上りホームから見る景色と似ているような気がする。
土合駅のほうが、険しい山々に囲まれてはいるが。


closed_nakayama11


磐越西線上を特急が駆け抜ける。
これ以上の進入は、いろんな意味でウマくない。
ここが潮時と判断し、旧中山宿駅引き返すことにした。


closed_nakayama12


夕暮れの廃駅の中をとぼとぼと歩いて帰る。
予てから訪れてみたかった旧中山宿駅。
その雰囲気に大満足し、この日は会津若松駅へと向かった。


JR東日本磐越西線 旧中山宿駅

大きな地図で見る



inserted by FC2 system